横浜国立大学社会科学系同窓会

在学生の方へ

2023/03/23

「世代を超えて」若手OBインタビューVol.5

「世代を超えて」 若手OBインタビュー

このコーナーは、『富丘会報』でスタートした若手OBインタビュー企画です。
インタビューの企画から原稿の執筆まで、現役学生の方にお願いしています、
若手OBの皆さんに、学生時代や社会人になる時期をどのように過ごし、社会人
となった今、何を感じているのか、現役学生の目線に合わせてお話しいただき
ました。読んだ皆さんの心に残る言葉があったなら、幸いです。

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Vol.5 福島 聡 さん(社会人7年目)

2016年3月 横浜国立大学 経済学部経済システム学科 卒業
大森 (義明) ゼミ
2016年4月 大手メーカー入社 マーケティング部配属
2017年7月 大手人材系会社入社
2020年7月 グローバル人材系スタートアップ入社
2022年7月 IT ベンチャー企業入社 人事・採用担当

――大学時代はどんなことに取り組んでいましたか。
学生時代は、「YNU 105」という留学生と交流する団体に所属していました。たしか留学生センターの105号室で留学生の相談窓口のような活動から始まったと聞いた記憶があります。それで、いよいよアウェイで頑張ってみるぞっていう感じで、4年生のときに交換留学で1年間、オーストラリアに行きました。

――じゃあ、もともと留学も視野に横浜国大に?
そうですね。もともと横浜にはグローバルなイメージもあって、大学のHPなんかを見ると国際交流に力を入れている印象があったので、横浜国大を選びました。実際、大学では国際色豊かな大学生活を送らせてもらえたと思っています。


――卒業7年目で4社目と、少し珍しいご経歴をお持ちですが、まず1社目の大手メーカー入社から教えてください。
YNU 105の活動を通して、グローバルな舞台で何か新しいもの、日本では出合えないものを創り上げていく、そんなことにすごく興味を持ったので、仕事を選ぶ際にも、将来的には海外で働くことが一番中心の軸にありました。また僕自身、BtoBよりは、どちらかというと身近に感じてもらえるBtoCに興味があったので、1社目のメーカーを選びました。そこでマーケティングのポジションにいました。
大手を選んだのは、性格的には飽き性なところもあって、結果、今4社目にはなっているんですけど(笑)、社内で転職ができるような、いろんな部署に行けそうな会社はどんなところか探して結果という感じです。


――じゃあ、最初から転職を念頭に置かれていたわけではないんですね。
そうです。ただ、入社して少し経って、5年後、10年後、自分が一つ上のレイヤーに立ったときを想像すると、なりたい姿と少し違うなと感じました。領域としてはもう少し小さくてもいいので、自ら提案して実際に動かす、自分で判断を下せる、そんな人材になりたいなと思っていて、ある程度若手でも裁量をもってやらせてもらえそうだった、2社目の大手人材会社に移りました。

――次の人材系2社について教えてください。
仕事を選ぶ中でグローバルを一つの軸に捉えていたんですが、グローバルと一言で言っても、「日本→海外」と「海外→日本」という二つのベクトルがありますよね。新卒の際には、日本のものを海外にというベクトルで会社を選んでいたんですが、逆に海外から来る人たちに日本で活躍してもらう、そういったサポートをしていく部分に関しても徐々に興味を持ち始めました。そのために、まずは国内での採用支援に携わって、そこにはグローバルの採用支援を行う部署もあったので、2社目を選びました。
ただ、そのグローバルの採用支援を行う事業部が、途中で解体になってしまったんです。外国籍の方の採用は、まだまだ業界的には小さいマーケットでした。社内ではグローバル人材の採用支援が叶わないことが見えてしまったので、コロナの中でしたが、海外出身者の採用ができるスタートアップに飛び込んだという感じです。

――でも、グローバル人材系企業は、コロナ禍でかなり厳しかったんじゃないですか?
そうなんです。通常であればもう少しうまく営業できたとは思うんですが、コロナのために想像以上にうまくいかなくて。正攻法で連絡しても、メールの返信もなく、電話にも出てもらえなかったりして、かなり苦労しました。コロナも落ち着き、今年の春に内定者がやっと来日でき、日本での新しいキャリアをスタートしました。


――現在の IT ベンチャー、どのように選ばれたのですか。
2社目から採用の仕事に携わってきて、今の会社では人事、採用を行っています。人材系の会社を経験して、その先のキャリアとして、人が会社の中でどううまく活躍してくれるか、みたいな仕事をやってみたくなりました。人材系の会社だと、企
業にいい人を採用してもらうところまでで終わってしまいますので。入社した人がどう組織で活躍してくれるかとか、働きやすい組織をつくっていくとか、そういった仕事をやれるのは、人材会社ではなくて事業会社の人事だと、今の会社に入って感じています。
グローバルという視点では、今の会社は海外のメンバーの比率もわりと高いので、海外の方々にうまく活躍してもらう組織をつくっていくチャンスでもあるかなと思っています。

――さて、大手からスタートアップまで経験してきて、率直にどう感じていますか。
大手の中でこそやれる事業領域、叶えられることはもちろんあると思います。ただ僕は、ブランドが出来上がっている中でやっていくというよりも、キャリアを積む中で、自分自身の力で勝負してみたいという気持ちが強くなったので、ベンチャーでチャレンジ中という感じです。
ただ、スタートアップに入ったときには、やはり会社の傘を失った自分の無力さというのを実感しました。そうしたときに、自分から進んで様々なネットワークをつくっていくことは大事かなと思います。なので、富丘会の活動にも参加させていただいたりして、同じ会社や業界では出会えないような様々な方と知り合えることは、自分にとってとても刺激になっています。


――就職で悩んでいる学生、転職に躊躇している若手も多いと思うのですが。
転職については、コロナ前だと、わざわざ休みをとって面接に行って、しかも企業に候補者がジャッジされるという転職活動が一般的だったと思うんですが、もう人口縮小の時代に入っていますし、コロナもあって、企業側からアプローチが来やすくなったのは感じます。カジュアル面談という形で、ファーストステップとして、選考とは関係ない、情報交換の場を持つ企業も増えています。そこで自分のやりたいこととフィットすると思えば、そのあとその会社のことを詳しく調べていけばいいので、転
職は確実にやりやすくなっています。
学生と話していると、「ファーストキャリアは失敗できない」みたいな話も聞くんですが、やりたいことって途中から変わっていくこともありますよね。だから、内定をもらえなかったことを失敗と感じて臆することはないです。横浜国大生であれば、1社目に失敗しても、次の会社は全然見つけられると思います。

――最後に、採用担当者として学生へのメッセージをお願いします。
採用の仕事をやっていると、強みが一つでもある人は、何かしらで花が開くと感じています。なので、時間のある学生のうちに、自分が強みとしたいところは何かを考えて、そこにしっかり時間を投下したほうがいいですね。そうすると、「この分野では○○さんって強いね」という評価が得やすくなる。そんな自分の像を目指していくと、今後のキャリアにも自信が出てくると思います。
世の中、本当にいろんな仕事があるので、ちゃんとやりたいことのイメージさえ持っていれば、きっと自分に合った仕事に出合えるんじゃないかなと思いますね。
(聞き手・文  広報委員)

『富丘会報』169号(2022年秋号)掲載
※富丘会員の方は、当HP内下記のページからもお読みいただけます。
  会員のページ→富丘会報→富丘会報169号→20ページ

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