第15回 横浜国立大学ビジネスプランコンテスト(YBC)
第15回 横浜国立大学ビジネスプランコンテスト(YBC)
YBCとは、学生たちの「ひらめきを現実に」という目標のもとに行われる、横浜国立大学の学生主催のビジネスプランコンテストである。起業に興味のある学生にとっては、OBやOGの貴重な意見が聞けるチャンスでもあり、過去に出場したチームの中には、実際に起業をし、活躍しているチームもある。例年10月から11月にかけて、井上徹教授ご指導下、YBC実行委員会主催(本年度実行委員長:都築詩音)、経営学部と富丘会共催で開催されてきた。
コロナ下で延期となっていた、第15回2020年YBC。今年度はリモート開催に切り替え、令和2年12月16日および23日の2週にわたって予選が、そして今年1月20日には決勝が、それぞれオンラインで盛大に行われた。これまでは例年、希望者のみが参加していたYBCだったが、今年はコロナにより通学できず、入学以来、在宅で受講している1年生の勉学意欲継続のため、授業の一環となり、全員参加となったことが大きな違いであった。参加人数は、経営学部1年生全員が対象で、38名のクラスが8つ(1クラスのみ34名)あり、総勢300名。
その300名が、担当教授の指導の下、各クラス4~6名程度が6~8チームにわかれて、ビジネスプランを考えプレゼンする。発表までの毎週の講義では、事業企画・マーケティング・財務などについて、教授だけでなく、社会で活躍している若手OBも参加し、わかりやすくて実践的な指導が行われ、事業計画書や自由形式の収支計画書または財務計画書など、ひらめきを可能にするための具体的なビジネスプランをおのおののチームが作成した。
大学生になりたての1年生かつこれまで一度も直接会ったことのない者同士が、オンラインでのプレゼンにこぎつけるまでには、学生たちも相当な努力があったと思われる。しかしながら、そのかいあって、予選および決勝では、各チーム非常にレベルの高いプレゼンが行われた。以下に、予選および決勝の様子をそれぞれ記載する。
【予選大会】
予選では、それぞれのチームの代表者もしくは全員が順番に、Zoom上でパワーポイントとともに7分間のプレゼンを行い、8名の担当教授と社会人経験のある横浜国立大学卒業生の審査員がそれぞれ二人一組となって、各クラスの発表および質疑応答による審査を行った。その公平性を保つ観点から、予選における審査員は全員、2週続けて同じ教授とペアを組んで、教授が担当する6~8に分かれたチームの審査を行うという念の入れようだ。また、審査には直接かかわらないものの、クラスによっては、毎回の講義に携わってきたSA(学生アシスタント)も同席し、学生の発表を応援していたクラスもあった。
予選審査のポイントは、①アイディア・企画②マーケティング・財務③事業計画書の表現④プレゼン能力・熱量の主に4点。予選とはいえ、地元横浜を活性化させるためのビジネスモデルや自分自身の困った経験をもとに考えたビジネスプランなど、すぐにでも実現できそうなアイディアばかり。民間企業でのプレゼンさながら、各チームそれぞれレベルの高い発表が行われたため、審査も非常に難航したが、各クラスの最優秀チーム1チームずつが選抜され、計8チームが決勝に臨んだ。
【決勝大会】
いよいよ待ちに待った決勝が、令和3年1月20日(水)午後4時15分から4限授業において開催された。
参加チームは、「予楽くん」(病院の予約管理システム)、「FashionA」(インターネットショッピングモールアプリ)、「KETCHEN」(豊かに節約、料理アプリ)、「in-Trying」(オリジナルVRゴーグル試着サービス)、「シカトレ自習室」(資格勉強に特化した自習室)、「STYDY 10」(予備校に通っていない受験生向けの質問アプリ)、「hommy」(趣味と隙間時間とのマッチング)、「Radihodai」(ラジオ放送のyoutube版)の8チーム。
それぞれ学生ならではの面白い発想によるビジネスプランが、各チーム7分でプレゼンされた。学生の熱意がZOOMを通して伝わってくるようであった。収支計画は、各チームとも実によく練れており、流石、経営学部の学生だと感心させられるものであった。全チームのプレゼン終了後、審査員6名により、全体の評価と印象が参加学生に説明され、その後、審査員の厳正な評点結果を持ち寄り、優勝チームが選出された。井上先生により、評点合計結果と各審査員が付けた順位付け比較が見事に一致していることが検証された。
今年度の輝く優勝は、見事「STUDY 10」が勝ち取った。
【結果(敬称略)】
●優勝
STUDY10 (経営1年チーム)
一井瑞穂、大谷海璃、首藤圭佑、鈴鹿彩貴
プラン内容・・・予備校に通っていない受験生向けの質問アプリ
●準優勝
町田チーム 予楽くん「病院の予約管理システム」
以下、5位までの順位です。
●3位 高杉チーム FashionA「インターネットショッピングモールアプリ」
●4位 蓮實チーム Radihodai「ラジオ放送のyoutube版」
●5位 潟永チーム in-Trying「オリジナルVRゴーグル試着サービス」
<第15回YBC実行委員(敬称略)>
都築 詩音(経営2年)【実行委員長】
向後 佑里子、飯原 帆隆、清水 雄貴
新井 尚志、石田 開、岩本 有紀、及川 佳純、大野 健斗、小川 貴之、小高 真奈、片本 彗太、加藤 舜悟、河原 翔馬、齋藤 隼人、阪上 紗衣、笹口 陸、佐藤 瑛芳、佐藤 宏紀、土屋 宗治朗、内藤 隆介、中野 基生、中橋 京子、馴田 裕子、
沼澤 奈々穂、朴 志琇、堀部 開、松山 杏子、丸島 千夏、森 汐里、山岡 幹也、
吉原 有美
<決勝審査員(敬称略)7名>
井上 徹 横浜国立大学 経営学部 教授
石原 健一 S50 経営卒 富丘会 理事・事務局長(元三井物産)
櫻木 政司郎 S54経済卒 富丘会 理事長(元相模鉄道株式会社 常務取締役)
竹内 壮輔 H19経営卒 ベンチャーキャピタルReality Accelerator共同創業者 審査委員長
和田 幸子 H11経営卒 株式会社タスカジ 代表取締役
高木 秀昭 横浜市経済局成長戦略推進部新産業創造課長
菅原 伸一 H4経済卒 横浜銀行 箱根湯本支店長