グローバル化とイノベーション
今年も2,000人を超える若者が横浜国大に入学しました。入学式は4月5日でした。富丘会の会員になる学生は500人を超えます。入学式には両親などの保護者が一緒に参加することも多く、我々の頃とは大違いです。もっとも、アメリカの大学の入学式には親族がたくさん参加してお祭りのようでしたから、日本もアメリカ並みになりつつあるということかもしれません。
富丘会では昨年に引き続き新入生の保護者の方々を迎えて ”Welcome Party"を開催し、富丘会の活動について説明をするとともに大学幹部と直接話をする機会、また保護者同士が知り合いになる機会を用意しました。大学幹部の方々には富丘会のパーティーに参加して積極的に保護者とコミュニケーションをとっていただき、また長谷部学長にはパーティー終了まで熱心に保護者の方々と対話をしていただきました。大学が大学と同窓会、大学を取り巻くコミュニティとの絆を深めようとする強い意志を持っていることを感じ、我々も意を強くした次第です。
長谷部学長は、富丘会報(2016年3月号)のインタビューで社会の変化と要請に的確に対応していくために ”グローバル化“、”イノベーション”を強調されています。グローバル化とは、大学でのグローバル人材の育成はもちろんですが、大学における組織や仕組みを日本での自己流ではなく、世界に通用するやり方に変革するということだと考えます。今までやってきたことについて「このやり方でいいのだろうか」という問いかけがまず大切です。また、イノベーションは、柔軟性とスピードを持って新しい機軸で、新しい価値を作ることが必要ですから、昨日と今日は違う、まして明日は大違いという感覚が求められます。
スピードと時間感覚が大切です。
しかし、一例をいえば、我々は今年の新入生のうち、富丘会の会費を支払ってくれた人が誰なのか、何人いるのかも、まだわからない状態に置かれています。これは今日的感覚からは許されません。会費を支払ってくれた保護者の方々からは、富丘会からは何らの知らせもないとの連絡があります。当然のことです。お金を受け取って、受け取りましたと返事をしていないのですから。しかし、各同窓会とも新入生からの会費徴収業務は校友会と相乗りとし、校友会に委託していますので、早く情報を渡すよう催促は出来ても、自分の手元に情報がありません。お金を受け取ったら、すぐに受領の返事をする----これが世界の常識であり、そうすることが当たり前であることを、若者に教える前に、まず若者を迎える側がしっかりと認識していなければなりません。また、「これはまずい」とか「こうした方が良い」と思うことがあったらどんどん解決へのアイデアを出し、実現していなければいけません。それがグローバル化の中での仕事のやり方であり、イノベーションとなります。
同窓会である富丘会も、自らを省みてそのステークホルダーである会員・役職員・大学との関係を、21世紀に合うようにしていかなければなりませんし、また周囲にも働き掛けなければいけないと強く感じます。
以上
2016年4月24日 梅 原 一 剛