社会科学系創立100周年記念式典・記念シンポジウム(11月10日)
社会科学系創立100周年記念式典・記念シンポジウム
横浜国立大学の経済学部、経営学部、大学院国際社会科学府および国際社会科学研究院は、2023(令和5)年に、その前身である横浜高等商業学校(横浜高商)が文部省直轄学校として設置された1923(大正12)年から数えて100周年を迎えました。このことを記念して、11月10日、大学附属図書館メディア・ホールにて社会科学系創立100周年記念式典・記念シンポジウムが開催されました。
はじめに、記念式典が行われ、梅原出学長をはじめ、相模鉄道株式会社取締役の鈴木 昭彦氏、植草 慶一理事長、横浜国立大学元学長の鈴木 邦雄氏、横浜国立大学前学長の長谷部 勇一氏からご祝辞がありました。
この中で植草理事長からは、横浜国大は時代のニーズをとらえ社会中核を担う人材の創出に取り組み変革を続けている。富丘会はこれからも横浜国大に並走する形で支援してまいりますとの力強いメッセージが発せられました。
次に、記念シンポジウムが「神奈川・横浜と高商・国大の過去現在未来」のテーマで行われました。
登壇されたのは、溝口周二氏(元副学長)、大門正克氏(元副学長)、君島美葵子氏(大学院国際社会科学研究院(学府経営学専攻)・准教授)、藤田香織氏(元大学院国際社会科学研究科法曹実務専攻・客員准教授 弁護士(神奈川県弁護士会副会長))、石山幸彦氏(大学院国際社会科学研究院(学府経済学専攻)・教授)の5名の方々でした。
各登壇者からは、横浜高商、大学時代の思い出、大学の課題などについての発言がありました。
特に、印象に残ったのは、横浜国大の経済・経営学部前身である横浜高等商業高校(以下横浜高商と言う)についてです。横浜高商は関東大震災の後の1924年に開学されましたが、当初から対外交易・海外発展の研究、語学教育に力をいれており、少人数ゼミナールも導入されていました。
また、初代校長である田尻常雄氏は横浜高商の教育方針として「信頼の人たれ」と語っています。「自らを深く信ずるとともに他より安心して全任せらるる人物を期待しているのであります。かかる人物たるには品性高潔、思想穏健なるとともに進歩的な商業社会の進運に適応するだけの知能と技量と有し、かついかなる激務にもたえうる健康を有すること、あえて喋々を要せざる所であります」と。実務ができることに加えて人格者であり、他人から信頼される人となれと述べています。
横浜高商では、このような先進的教育が当初から行われており、「真理の探究と時代・世界市場に対応した実践」が行われていたことに感動しました。
そして、このシンポジウムの中でしばしば登壇者から聞かれたワードが、「アカデミックと実践」「真理の探究と実務実践」であったので、これが横浜国大のエッセンスなのだなあと思いました。
もうひとつ印象に残ったことは、会場の背景に常時大きなスライドが放映されていたことです。そこには、かつての校舎、学校生活の様子、就職の風景など、さまざまな画像が次々と流されており、ときどきタイムスリップしたような感覚になり、過去現在未来に思いを馳せることができました。他の参加者もこのような雰囲気の中で、熱心に聞き入っていました。
今回このシンポジウムに参加したことで、横浜国大の歴史を知り、この大学のことを深く考えるよい機会になりました。これからも横浜国立大学社会科学系のますますの発展を願っています。
100周年記念式典 登壇者の方々
100周年記念式典 植草理事長
100周年記念シンポジウム
100周年記念シンポジウム