横浜国立大学社会科学系同窓会

富丘会活動・報告

2014/01/24

【会員からのレポート】キルギス共和国からの現地報告

2008年3月経済学部国際経済学科卒 (青年海外協力隊 24年度3次隊 キルギス共和国派遣) 山下尚久
私は大学卒業後、製薬企業の営業として4年半勤務した後、2013年1月より2年間の青年海外協力隊のボランティアとして、現在、中央アジア、シルクロードの真中にございます、キルギス共和国で活動しております。
皆様にとっては普段触れる事のない国であると思いますので、ご紹介させて頂きます。
キルギス共和国は、中央アジアの真ん中に位置し、北にはカザフスタン、東から東南には中国やウイグル自治区、西はウズベキスタン、南にはタジギスタンと多くの民族が生活している地域にあります。内陸にあり、周りは5000m級の山が並ぶ天山山脈に囲まれています。
気候は温帯地域になりますが、首都では夏は35度、冬はマイナス5度と、乾燥地域ならではの寒暖の差があります。しかしの暑さも日本と違い、日陰に入ると涼しいため、避暑地として観光客も多く訪れます。そのため、キルギスは「中央アジアのスイス」と呼ばれる事もあります。
生活している民族は一番多い民族がキルギス人、次にロシア人などなど80を超える民族が生活しています。もっとも多数派のキルギス人は日本人とそっくりです。キルギス人の中には日本人のような方もいらっしゃいますし、またキルギスで生活している日本人がキルギス人と間違われる事もあります。またキルギスは都市伝説のようなものがあり、「キルギス人と日本人は元々同じ民族で、魚が好きな日本人は海を渡り、日本に行き、肉が好きなキルギス人はそのまま生活を続けた。」というものです。この話はキルギスのどこの田舎に行っても言われる事であり、このような都市伝説から皆さんとても親日家です。
主な宗教はイスラム教です。ただし、日本人の皆さんが想像されるイスラム教とは少し違っています。各地にモスクは存在するものの、礼拝する人、また断食を行う人は多くありません。またトイと呼ばれるパーティーではウォッカが振る舞われます。男性は髭を伸ばさず、女性も日本と同じような西洋の服装です。首都では外でもアルコールが飲め、また豚肉も購入ができます。
言葉は国語がキルギス語、公用語がロシア語となっており、多くの人がキルギス語とロシア語を話す事ができます。特に首都ではロシア語、地方ではキルギス語が多く話されています。
食事は元々遊牧民ですので、羊肉、牛肉、鶏肉、馬肉が食されています。主食は小麦を使った、パンやうどんに似た麺などです。シルクロードの中継地点だったこともあり様々な料理が存在し、中国料理に似たものもあり、日本人にとっても食べやすい料理がたくさんあります。
このようなキルギスでの私の活動は、"一村一品運動"と呼ばれます、地域の特産物を活かし、改良を加え、商品を開発し、その商品を販売することにより地域の人の現金収入を増やす事です。キルギスではフェルト商品や豊富な果物を使ったジャムなどがあります。それらに改良を加え、販売場所を提供するなどの活動をしております。現地の人と共に活動することは日本で働いていた時と違い、時間に追われる事の少ない場合が多いですが、その分物事の進行が遅い、思い通りにできないなどの問題もたくさんあります。慣れない現地語を使うので苦労する面も多いですが、日本人として物事に真摯に取り組むなど、日本人のいい一面を見せていけたらいいと思い活動を続けています。
偶然にも先日キルギスにおいて、キルギス人横浜国大卒業生のOB・OG会が開催され、私も卒業生として参加させて頂きました。多くのキルギス人卒業生とお話ができ、素晴らしい機会でした。このように同じ大学卒業生が居るというのは国立大学の中でも有数の留学生を受け入れている横国だったからこそだと感謝しております。
ご興味ありましたらぜひキルギスに遊びにいらして下さい。お待ちしております。
<写真1:筆者(山下尚久)>
<写真2:キルギスの田舎の子ども達>
<写真3:キルギスの山々>
<写真4:キルギスの美女たち>
<写真5:活動中 即席直販所にて>
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