第16回横浜国立大学ビジネスプランコンテスト(YBC)
第16回横浜国立大学ビジネスプランコンテスト(YBC)
学生支援委員会 石関 裕子(2002済)
YBCは、「横浜国立大学の学生が社会で活躍するための成長の場を作ろう」という理念のもと、2006年に創設された横浜国立大学公認のビジネスプランコンテストです。横浜国立大学の学生有志が、同じく学生のYBC実行委員のメンバーのもとに集結し、大学・校友会・富丘会・YOXOBOX(横浜市と三菱地所のスタートアップ支援拠点)の協力を得て、思い思いのビジネスプランを発表します。
本コンテストは、横浜市とも連携し、横浜発のイノベーション創出の出発点となれるよう、さまざまな活動も行っています。YBCに出場する学生たちに向け、勉強会やブレスト会を開催することで、起業に向けた実践的な学びの場を提供し、学生たちは実際にチームを結成して、ベンチャー企業さながら、自分たちの考えたビジネスプランを発表します。過去に出場したチームの中には、実際に起業をし、活躍しているチームや卒業生も多くいます。
第16回目となる今回は、YBC史上初めての対面とリモートの併用による開催となりました。
2021 年6月から、学生たちのエントリー受付を開始し、説明会、交流会などを実施し、YBCに対する学生の理解を深めてもらいます。その後、正式にエントリーした学生たちに対しては、夏休みに2週間にわたって横浜国立大学出身の若手経営者による具体的なビジネス講義が行われ、事業計画・マーケティング・資金調達の方法など、実際ビジネスを行う上で重要な視点を学びました。中間報告として9月にはブレスト会も行われ、参加者がグループごとにプロジェクトについて進捗度合いを発表し、審査員や教授の厳しくも温かい多くのアドバイスをもらっていました。
そして大会に向けてさらなるブラッシュアップを図り、予選大会が10月9日土曜日にオンラインで、決勝大会が11月13日土曜日に対面でそれぞれ行われました。いずれも各チーム非常にレベルの高いプレゼンが行われ、大変な盛り上がりとなりましたので、以下に、予選および決勝の様子を記載します。
【予選大会】
予選には15チームが参加しました。各3チーム、5つのグループにわかれ、審査員には教授や富丘会会員が15名、5つのグループに3名ずつ配置されました。各チームの代表者もしくは全員が順番に、Zoom上でパワーポイントを使って15分間のプレゼンを行い、審査員からのさまざまな質問に答える形で、進行していきました。
予選審査のポイントは、①アイディア・企画 ②マーケティング ③財務 ④プレゼン・熱量の主に4点。予選とはいえ、地元横浜を活性化させるためのビジネスモデルや自分自身の困った経験をもとに考えたビジネスプランなど、すぐにでも実現できそうなアイディアばかりでした。勢いのあるスタートアップ企業やベンチャー企業のように、各チームそれぞれレベルの高い発表が行われたため、審査も非常に難航しましたが、合計6チームが決勝に臨むことになりました。
【決勝大会】
11月13日、いよいよ決勝が開始されました。参加チームは次の6 チームです。開催場所は関内のYOXOBOXです。YOXOBOXは横浜市が新規事業をbackupする施設でYNUも深くこの事業には関係しています。
1.お遣いest 最上級のお遣い体験を
2.コインゴ ゴミストレスフリーの社会へ
3.DEERVERY 命に責任を持つ社会を作る
4.ラッシー専門店がプロデュースした
カレーを作らないカレー屋さん
5.電情 環境に優しく新しい価値を自販機で
6.My food bank 食品ロスの削減
11時20分より、チームのプレゼンと審査員からの質問が40分の枠でなされました。16 時40分にすべてのチームのプレゼンが終了し、審査員による厳正公平な審査が行われました。審査員は竹内審査委員長、井上先生、富丘会より櫻木理事長、石原事務局長、起業家のTOP3名でした。
甲乙つけがたい良いビジネスプランが多い中、優勝は「DEERVERY」と決定しました。北海道の鹿の駆除により、多くの鹿が命を絶たれている現状から、鹿の命を無駄にしないというPROJECTです。鹿の内臓はcat foodに利用しよう、鹿の皮は財布等の工芸品として販売しようというビジネスプランで、現在、鹿味のcat foodは高額で販売されているそうです。そのマーケットに参入するビジネスプランです。鹿の内臓は殆ど産廃処理されており、その点での有効利用も考えたプランです。
準優勝は「電情」です。マイボトルを持ち込みジムでプロテイン飲料を飲むという企画で、ペットボトル等の廃棄を少なくし環境に貢献するという企画です。マイボトルに充填するベンダーマシンの開発も必要でプロテイン飲料メーカー以外とのコラボも面白い展開となりそうです。
「コインゴ」は審査員賞(SDGs賞)となりました。公園等に有料ゴミ箱を置きごみを削減、ゴミ発生者がごみを持ち歩かなくても良いビジネスプランを提案しました。最終的には、エコに環境意識の高い企業のロゴマークを有料でゴミ箱に貼り、日本全国で環境を改善しようという良いプランでした。
井上先生の学生ご指導の下、毎年、素晴らしいビジネスプランが絶えることなく創生されており、富丘会としてもその一部にご協力できていることに誇りを抱きました。
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<第16回YBC 実行委員(敬称略)>
【実行委員長】金昌志(経営学部1年)
中野桜(経営学部1年)、本那真一(経営学部1年)、真船友樹(経営学部1年)、
大田雄飛(経営学部1年)、大町陸真(経営学部1年)、中田紗葵(経営学部1年)、
田川祥子(経営学部1年)、松原健人(経営学部1年)、竹内徹(理工学部1年)、
高津勇太(経済学部1年)、都築詩音(経営学部3年)、向後佑里子(経営学部3年)
<決勝審査員(敬称略)>*本年度審査委員長
井上 徹 横浜国立大学 大学院 国際社会科学研究員教授
YOXO(横浜未来機構)メンター
石原 健一 1975営 富丘会 理事・事務局長(元三井物産)
櫻木 政司郎 1979済 富丘会 理事長(元相模鉄道株式会社)
和田 幸子 1999営 株式会社タスカジ創業 代表取締役
竹内 壮輔* 2007 営 Reality Accelerator 共同創業者
株式会社KIRINZ 執行役員
井口 恵 2010営 株式会社Kanatta 創業 代表取締役社長
花房 香那 横浜国立大学卒 トリコ株式会社創業 代表取締役社長