ベヒシュタイン演奏会Ver.1 〜麗しき音色、常盤台へ〜
ベヒシュタイン演奏会Ver.1 〜麗しき音色、常盤台へ〜
7月13日(土)、富丘会設立100周年記念事業の一環として、第1回ベヒシュタイン演奏会を横浜国立大学教育文化ホールにて開催しました。当日は、記念すべき第1回目として黒岩祐治・神奈川県知事をお迎えし、第1部として、本学の梅原出学長と対談をいただき、第2部でベヒシュタインの演奏会を開催しました。
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そもそもベヒシュタインとは――。
奇しくも100年前の1924年、横浜工業高校(現・横浜国立大学理工学部)が取得した、ベヒシュタイン社製のE型コンサート用グランドピアノです。当時、三大ピアノメーカーに数えられたドイツ・ベヒシュタイン社の最高グレードとされる名器が、その後100年にわたり本学に保管されていました。数年前、長谷部勇一前学長のリーダーシップのもとクラウドファンディングが立ち上げられ、修復費用を捻出して本格修繕したものの、コロナ禍に見舞われたこともあり、なかなか演奏の機会もなく、この素晴らしいピアノが生誕100年を迎えていました。
「この名器ベヒシュタインを埋もれさせていてはもったいない」。その想いから今回、富丘会設立100周年の記念イベントとして、演奏会を開催するに至ったものです。
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【第1部】トークセッション
黒岩祐治・神奈川県知事 × 梅原出・横浜国立大学学長
トークセッションの冒頭、まずヘルスケアという、県と大学が共通して進める政策について紹介がありました。梅原学長からは、湘南ヘルスイノベーションパーク(通称:湘南アイパーク)における研究・活動の取り組みについて説明がありました。この湘南アイパークは、ライフサイエンスの中心地とすべく、産学公医民連携で推進されているインキュベーション施設で、本学は大学という研究機関としての強みを生かし、取り組みを進めています。黒岩知事からは、健康で活力ある社会の実現に向けた「未病」の概念と、テクノロジーを活用したヘルスケアの取り組みが紹介されました。
対談が進む中で、「地域課題の解決」を共通のキーワードとして、黒岩知事からは、横浜国大で開催している講座「神奈川県のみらい」の紹介に続き、この演奏会の翌日から始まる欧州訪問について言及がありました。ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州では企業と大学が連携した教育システムを視察し、スイス・ジュネーブのWHOでは健康増進に関する意見交換を行うとのことで、さらにその訪問には梅原学長も同行されるとの紹介があり、神奈川県と大学の非常に密接な関係を改めて認識することができました。
黒岩知事の魅力あるトークもあり、熱のこもった対談に会場は真剣に聴き入ると同時に、時に笑いも交えたトークセッションで、終始盛り上がりました。黒岩知事には、大変お忙しいスケジュールをぬってご登壇いただいたことに感謝したいと思います。
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黒岩祐治・神奈川県知事
1954年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、フジテレビジョン入社、長く報道番組のキャスターを務める。フジテレビを退社後、2011年から現在まで神奈川県知事を務める。現在4期目。
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【第2部】ベヒシュタイン演奏会
第1回目のピアニストとして、横浜国立大学教育人間科学部卒の金久保彩佳さんを迎え、ベヒシュタイン演奏会が行われました。会場のフロア席を、ピアノを囲うように並べ替えると、会場は第1部のトークセッションから、一気にコンサート会場に。
古く、おそらく弾き慣れないピアノだったと思いますが、聴き覚えがありながら、緩急に富んだアレンジの曲を選んでいただき、クラシックに造詣が深くなくとも、繰り出される様々な音色を楽しむことができました。
司会進行には、第1部、第2部ともに、富丘会総会・親睦パーティーでお馴染みの、本学経済学部卒のフリーアナウンサー、田添菜穂子さん。クラシックコンサートに造詣も深く、曲紹介や、曲間での金久保さんとのトークはとてもわかりやすかったと、大変好評でした。
ぬくもりのあるピアノの音色と、金久保さんの演奏。第1回目にふさわしい、とても温かい、雰囲気に包まれた素敵な演奏会となりました。
【演目】
W.A.モーツァルト : きらきら星変奏曲(フランスの歌曲『ああ、お母さん、あなたに申しましょう』による 12 の変奏曲)ハ長調 K.265
ラヴェル : ソナチネ 第1楽章 中庸に
第2楽章 メヌエットの動きで
第3楽章 活き活きと
ショパン : 即興曲 第4番 嬰ハ短調『幻想即興曲』Op.66
エチュード Op.10-12 『革命』
Op.10-3 『別れの曲』
ベヒシュタイン演奏会、次回は本学3同窓会共催の形で、12月7日(土)の開催を予定しています。詳細が決定し次第、HP等で告知させていただきます。また多くの皆様のご来場をお待ちしております。