横浜国立大学社会科学系同窓会

ご案内・告知

2012/03/16

第85回富丘会総会 号外

2012年03月16日

①井村委員長挨拶

 第85回富丘会総会は、7月1日(日)東京・新宿の京王プラザホテルで開催されます。実行委員は、私たち横浜国立大学経済学部及び経営学部の昭和58年卒業生が務めさせていただきます。

 富丘会総会は、毎年500名から600名の卒業生が集う大イベントです。その実行委員を担うのは、キャンパスを巣立って30年の節目にあたる卒業生――総会開催で綿々と受け継がれている伝統です。

 今回、この実行委員会の活動を通じて、私たち実行委員が感じたこと。それは私たちのいまが母校で築いた礎なしにはありえない、ということです。仲間、仕事、日々の暮らし......すべてが母校あってこそです。この母校への感謝の気持ちに加え、先輩方への尊敬と後輩への激励の気持ちを込めて、総会を成功させたいと願っています。

 今年のテーマは、「『元気』を本気で考える」です。

 昨年、東日本大震災という未曽有の災害が日本を襲いました。それを機に、一人ひとりが否応なく「日本」について考えさせられたのではないでしょうか。それは日本というシステムであり、同時に日本人の本質でもありました。「がんばれニッポン!」「日本を元気に!」といったスローガンをよく耳にしますが、「元気」とは一体何でしょうか。富丘会総会を通じて、日本の「元気」について世代を超えて議論し、一人ひとりが日本の元気に貢献するきっかけとなればと、「本気で」思っております。

 記念講演では、評論家の佐高信氏に「いま、日本を読む」というテーマでお話しいただきます。佐高氏は、我々昭和58年卒業生が常盤台キャンパスで学んでいた際に、「経済小説の世界」という講座を持ってくださっていました。当日は、どのような視点から「日本」を読んでくださるのか楽しみにしています。

 富丘会総会が東京で開催されるのは12年ぶりです。より多くのみなさまにご参加いただきたいと、会場を選定いたしました。

 当日、たくさんのみなさまにお会いできることを、実行委員一同、心からお待ち申し上げております。

会場の京王プラザホテルまでの地図は

②講演者「佐高 信」氏ご紹介

 佐高信氏が編集委員をつとめる「週刊金曜日」の公式サイトに、佐高氏を紹介する文章があるので一部を引用します。

 「高校教師、経済雑誌の編集者を経て、評論家に。『社畜』という言葉で日本の企業社会の病理を露にし、会社・経営者批評で一つの分野を築く」。

 私たち実行委員が佐高氏の「経済小説の世界」という講義を受けたのは、1982年。佐高氏がまさに経済雑誌の編集者を辞め、評論家として独立された直後でした。

 これから社会に出て行こうとする学生に、日本の企業社会を説こうというのが講義の趣旨だったと思います。その材料が数々の経済小説でした。週刊金曜日のプロフィールによるなら、「病理」を説こうということだったかもしれませんが、その講義を受けた者の一人としての印象は、まるで違いました。生きることの「つらさ」と「おかしみ」を説いてくださったように思うのです。佐高氏が藤沢周平を愛してやまないことを卒業後に知り、なにか講義と重なった記憶があります。

 佐高氏は東日本大震災から1年がたとうとする2月、あるテレビ番組でこんなことを言っていました。

 「原発事故と戦争責任は似ている」

 共通しているのは、「みんなに責任がある」という物言いだというのです。電力会社のみならず、原発政策を進めていた政治家、官僚。原子力研究を進めてきた学者。そして、原発に反対してこなかった評論家やマスコミ。恩恵を享受してきた国民。これらみんなに責任がある、と何人もの人が口にします。

 でも、責任には濃淡があるのだ、と佐高氏は言います。それを「みんなに」とすることで、責任追及をしようとしない日本人。そこを佐高氏は指摘しています。

 佐高氏の言論は、「斬る」などと表現されることもあります。ですが、藤沢周平とともに、俳句もこよなく愛する佐高氏ですから、そこに広がるのは殺伐とした世界ではありません。

 講演で佐高氏が何を語ってくださるのか、めまぐるしく動く日本という国を、どう読んでくださるのか。みなさまとともに、30数年前の不出来な学生だった実行委員一同、楽しみに待っているところです。

経歴と主な著書

さたか・まこと

1954年山形県酒田市生まれ。慶応大学法学部卒。

主な著書に『世代を超えて語り継ぎたい戦争文学』(澤地久枝さんとの共著、岩波書店)、『拝啓藤沢周平様』(田中優子さんとの共著、イーストプレス)、『平民宰相原敬伝説』(角川学芸出版)、『思想放談』(西部邁さんとの共著、朝日新聞出版)、『電力と国家』(集英社新書)、『原発文化人50人斬り』(毎日新聞社)、『逆明利君』(講談社文庫)など。

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