「世代を超えて」若手OBインタビュー Vol.1
「世代を超えて」 若手OBインタビュー
このコーナーは、『富丘会報』でスタートした若手OBインタビュー企画です。インタビューの企画から原稿の執筆まで、現役学生の方にお願いしています、若手OBの皆さんに、学生時代や社会人になる時期をどのように過ごし、社会人となった今、何を感じているのか、現役学生の目線に合わせてお話しいただきました。読んだ皆さんの心に残る言葉があったなら、幸いです。
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Vol.1 親川 大士 さん(社会人5年目)
略歴
2016 年3 月 横浜国立大学 経営学部経営システム学科 卒業
ヘラーゼミ、アメリカンフットボール所属
2016 年4 月 商社入社 建設・不動産部門配属
不動産開発、事業会社の経営管理など担当
――アメフト部にいつから所属していましたか?
1 年生からずっとやっていました。いま現役の子たちに言うのもあれですけど(笑)けっこう打ち込んでいました。たぶんアメフトしかしていなかったと思います。
アメフトの思い出って基本的に辛い思い出なのですが(笑)、それもひっくるめて楽しかったです。ずっと1年目から部活をしていたのはよかったなとは思います。
――アメフトってすごく強いイメージがあるんですけど、大会とかでは好成績を残されましたか?
我々の代とか一つ上の先輩の代は強くて、2 部リーグから1 部リーグに上がりました。国立大の中では強いほうでしたね。
――学生生活においてやっておけばよかったとか思うことはありますか。
学業のほうは、単位を取る程度ぐらいしかやっていなかったんですけど、大学って、社会人になってみて分かるのは、いろんな教授の方々がいて、いろんな授業をしてくれて、たぶん今後出会うことがないであろう話とかをしてくれるので、より真剣に聞いておけばよかったなとは思いますね。
――経営学部での勉強が今のお仕事に役立つなとか感じたことはありましたか。
学部というより、ゼミでやっていた研究が、企業の生産活動とかをよく観察して改善提案をしていくという面で考え方として学べてよかったなと思いますね。ビジネス一つひとつにいろんなフェーズがあって、こういうときってどう考えたらいいのかな、という考え
方は繋がっているのかなとは思います。
――客観的に見て、横国生の強みや弱みなど感じることはありますか。あるいは特徴とか。
OB 訪問とか受けて感じることは、いいところから言えば、すごく素直だなとは思います。話もよく聞いているなと思うし、私立大学の子たちと比べてすごく純粋だなとは思います。
ですけど、それが就活に良いか、うまく活きてくるかというと、なかなかそうじゃない面もあって、アグレッシブさが足りないなといとは感じます。だからそういう子たちにOB 訪問を受けたときには、「他の大学の子たちってこういう感じだよ」というアドバイスをしたりします。私立大学だとOB の人数も多くて、色々な情報を得ていると思うんですけど、とにかく準備がいい子たちが多くて、ガツガツしてて、そこは大きく違うなと感じます。
――就職の際どんなことに気をつけましたか。
いろんな大人の人としゃべる機会が多ければ多いほどいいなと思います。いきなり一番行きたい会社へ行って、それが一発目の面接だったら、話したいことがいっぱいあってもきちんと話せないので。だからキャリアサポートセンターでもいいし、話す機会をたくさん持ったほうがいいと思います。
――親川さんは、キャリアサポートセンターを利用したり、OB・OG と話したりされましたか。
はい、OB やOG などいろんな方と話している中で、面接っぽい問答になった時、しゃべってみて、「あ、この伝え方ってけっこう興味を引くな」とか、「このしゃべり方は全然ダメだったな」みたいなのは気をつけて考えていました。
――就活で、自分の強みや軸にしていたものはありますか。
こういうところでちょっとカッコいいことが言えたらいいんですけど(苦笑)。僕自身はけっこうブレブレだったなっていうのは今になって思っています。最初、就活していてなんとなくミーハーな心で、よく名前を聞くところの会社説明会に行くというのはありましたね。
ただ就活を進めていくうえで、徐々にどういう人がいるのかなっていうのをすごく観察するようになりました。会社説明会に行った人がどういう人で、どんな話をしててとか。OB 訪問できる会社なら、OB 訪問を実際にしてみてどういう人がいるんだろうっていうのを、すごい気にするようになりました。いろんな会社がアピール動画みたいなのを出してるけど、それって全部カッコいいことしかやってないから、実際にその会社で働いている人と会ってみるっていうことはすごく大事にしていました。
――その中で今の会社を選ばれた理由は?
今の会社の方と話した際、1 個質問したら聞いてないことを10 個答えてくれるような、すごいガツガツ人が多い、そんな印象でしたね。なので、一大学生に対して一生懸命いろいろ話してくれる人たちのほうが、一緒に働いたら楽しいのかなって思いました。
――実際に働いていて、どういう人や後輩と働きたいと思いますか?
しつこい人がいいかなあ。当たり前のことでも、「これってこれでよかったでしたっけ?」ぐらい聞いてくれたほうが、こっちは安心する。何も報告も連絡も相談もなくて、いろいろ勝手にやってたら絶対いい方向に行かないから、しつこいぐらいちゃんと確認する人がいいかな。
――就活的な面でやっておかなくて後悔したことはありますか。
英語ですね。
――それはなぜそう思われますか。
就活の共通テストみたいなものでも、面接を受ける前に出すエントリーシートにTOEIC の点数なんかを書く欄があって、英語なんてまったくやっていなかったから。
人事の人たちって、「英語なんて内定してからでいい」とか「入社してからでいい」みたいなことも言ってくれるけど、英語は大学のうちに、時間があるうちにやっておけば、内定してから違うことができるし、入社してからも違うことができるし。英語はやっておけばよかったなと思っています。
――自分の経験としてアピールできるものを就活のために作りたいと思ってしまうことがあるのですが、どうお思いになりますか?
入りがどうであれ、たぶんそれに一生懸命取り組めたら、就活のときに一生懸命話せると思うんだよね。
面接する人事の人たちは話をするプロで、我々の会社だと一次面接が課長とかが出てきて、そういう人もビジネスのプロだから、話していることって、「あ、なんか嘘ついてるな」とか、そういうのがすぐ分かっちゃう。きっかけがどうであれ、とりあえず何かやってみて、自分が楽しめて打ち込めることがあれば、それを頑張ればいいと思います。
――学生の中には、打ち込めるものが見つからないというか、のほほんと何もなく過ごしている学生もけっこういると思うのですが、打ち込めるものに出会うきっかけはどう探したらよいでしょうか?
難しいね。でも、それって自分で探さないといけないと思う。仕事もそうなんだけど、のほほんと席に座っている人って、やっぱり「お前、座ってばっかりだったら、お客さんどうにもならねえだろ」って怒られたり、「あいつってずっと座ってるだけだよな」みたいに言われたりするから、自分で動かないといけないっていうのはすごく大きい。横国生はちょっとのほほんとしてる子たちが多い印象はあります。横国生の子たちって、気づくのは就活を始めて少し経って、OB 訪問したり、他の大学の学生の話を聞いたりしたときに、「うわ、こんなにやってんだ。ヤバいな」って初めて気づく。それは自分で考えないといけないかなと思う。
――今お仕事をされている中で大切にされていることや、今後の目標とかもあったら、ぜひ教えてください。
お客さんは絶対大事にしてて、でも、その大事にしてるっていうのは、こっちが不利益を被ってまでもということではない。日々の何気ない電話とかしながら、すごくいい関係を築きながらも、やっぱりビジネスするときには相手が社長だろうが、どこどこの部長さんだろうが、絶対自分のほうが一歩前で話を進めようとしてる。それはやっぱり会社の名刺を使ってしゃべっているから。そこはちょっとプライドを持って負けないようにっていうのは意識しています。
――将来の目標はありますか。
超長期的な将来の夢っていうのはあんまり考えてなくて、今は、うちの部署でやっているビジネスでたくさん稼ごうと思っています。で、僕が仕立て上げた案件で部署の利益が回るぐらいにしたいな、という気持ちでやっています。
聞き手:経済学部3 年 山本優花さん 経済学部2 年 森若菜さん(大学サークル「横国NaviGATE」)
執筆:森若菜さん
『富丘会報』167号(2021年秋号)掲載
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