「世代を超えて」若手OBインタビューVol.3
「世代を超えて」 若手OBインタビュー
このコーナーは、『富丘会報』でスタートした若手OBインタビュー企画です。
インタビューの企画から原稿の執筆まで、現役学生の方にお願いしています、
若手OBの皆さんに、学生時代や社会人になる時期をどのように過ごし、社会人
となった今、何を感じているのか、現役学生の目線に合わせてお話しいただき
ました。読んだ皆さんの心に残る言葉があったなら、幸いです。
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Vol.3 笠木 智広 さん(社会人7年目)
略歴
2010年3月 横浜国立大学 経営学部会計・情報学科 卒業
原ゼミ
2012年3月 一橋大学大学院商学研究科 修了
2014年 公認会計士論文式試験合格
2014年12月 監査法人入社
金融部で金融機関の監査に関わる
2017年 IT 企業に出向 連結財務諸表作成業務に携わる
2020年5月 出向先企業に転職
在外子会社の設立支援、財務経理業務を担当
――笠木さんの大学生活についてお尋ねします。所属していた部活やサークル
はありますか?
バスケットボールサークルに入っていたんですが、実際やっていたのは半年
ぐらいですかね。でもバスケは好きだったので、地元で大学生とか社会人を対
象にしたバスケットボールサークルを立ち上げました。今でも続いています。
――1~2年生の頃はバスケ中心の生活だったんですか?
バスケの活動は週末だけで、平日はもちろん勉強もしっかりしていたし、あ
とはアルバイトをしていました。奨学金もいただいていたんですが、生活費も
かかるし、それから公認会計士資格を取るための専門学校にも通いたいと思っ
ていたので。
あと教員免許も取りたいと思っていたので、教職課程も履修していました。
大学院を卒業してから公認会計士の資格を取るまでの間、お金がないので都立
の商業高校の非常勤講師として働いていた期間があって、教職を取ったのはす
ごく役立ったなと思っています。
――公認会計士はいつ頃取ろうと決心されたんですか。
取りたいと思ったのは、実は高校生のときなんです。
――え、そうなんですか!
はい。オープンキャンパスのときに経営学部の体験講義を受けたのですが、
簿記を教えている原俊雄先生とお話しして、とてもいい先生だなと思ったので
入学を決めました。原先生のゼミにも入りました。
――公認会計士について知ったきっかけは何でしたか?
もともとスペシャリストみたいな仕事をしたいなと考えていて、よく高校の
教室の後ろのほうに職業辞典みたいな本が置いてあったと思うんですが、あれ
をパラパラめくって、公認会計士っていう仕事があるんだと知ったのがきっか
けかなと思います。
――3~4年生の時点で大学院に行こうと決められていたんですか。
決めてないですね。4 年生のときに初めて公認会計士試験を受けて、そのと
きダメで、就職するか、資格浪人という形で公認会計士試験を受けるか、あと
は大学院に進学するかって悩んで。そのときふと大学1~2年ぐらいのときの、
大学院に行ってみたいなっていう思いが蘇ってきて、大学院に通いながら会計
士が受かればいいと思い大学院進学を決めました。
――大学院が終わったあとに公認会計士の試験を受けられたんですか。
そうです。大学院在学中に取れればいいなと思っていたんですけど、授業と
研究で予想以上に忙しくて、結局、卒業が決まって、修士論文を書いたぐらい
から本格的にもう一回勉強をやり直して、卒業後に合格したという感じです。
――就職先を選んだ理由は何でしたか。
海外で働きたいという思いがあったので、そうした色合いをいちばん強く感
じた会社を選んだ感じです。これから世界はボーダーレスになっていくし、日
本もますます国際化していくというなかで、実際に働いて現地の人と議論する
ほうが、言葉や文化の違いなんかをより深く学んだり関わったりできるかなと
いう思いがあったからです。
――学生時代にやっておけばよかったと思うことは何ですか。
長期の海外留学をしたかったですね。その代わり、1年生から4年間、留学生
のチューターをしていました。留学生と一緒に活動したり、留学生専用の授業
も受けたりしましたね。私は1~2年生の時、韓国人留学生の担当だったのです
が、その関係もあって韓国のサマースクールに参加したりもして、留学はでき
なかったもののそれを補えるような、広い視野を養える経験はできたかなと思
います。
代表チューターとして参加したIMFプログラムの終了式にて
――卒業してから思う横国生の強みや弱みは何だと考えていますか?
仕事上与えられた業務に素直に取り組んで、真面目にやり遂げてくれるとい
うのが強みだと思います。既存のプロセスがあった場合に、それに従って業務
をしてくれるので、任せられるというようなところです。
弱みでいうと、自分で新しいことにチャレンジすることや新しいプロセス、
仕組みをつくっていくことが苦手なのかなと感じますね。素直な分、ステレオ
タイプ的な見方をしてしまいやすい気がします。
――大学3~4年生に向けて、将来を考えてやっておくべきことや、やっておい
たらよかったなと思うことはありますか。
時間の許すかぎりいろんなことに挑戦したことはよかったなと思っています
。もちろんそのときは特に将来を見据えてっていう思いはなくて、そのときや
りたいこととか、大学生しかできないことを大学生のうちにやっておこうとい
う気持ちが強かったですが。
無駄な時間はあったかもしれませんが、後悔したかというとしてないですね
大学生のときにやっていた一つひとつが自分の成長につながっているなと思う
ので(笑)。皆さんもぜひ好きなことをやってください。
――横国生にこれから頑張ってほしいことはありますか。
リスクを取れることをしたほうがいいと思いますね。自分が大学生のときっ
て、お金もないし、人脈もないし、大学生の自分にできることって少ないと思
っていたんですけど、今から振り返って思うと、時間はたくさんあるし、リス
クを負える。
就職してしまうと、あまり下手なことはできないんですよね。大学生だった
ら、失敗しても誰も文句を言わないし、いい意味で失敗しようが成功しようが
どうでもいいっていう存在なんです。だから、本当にやりたいことはやったほ
うがいいし、多少失敗してもいいからリスクを取って行動してほしいですね。
聞き手:経済学部3年 山本優花さん 経済学部2年 森若菜さん(大学サークル
「横国NaviGATE」)
執筆:山本優花さん
『富丘会報』167号(2021年秋号)掲載
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